歩くモアイの作り方
アク・アク
コンチキ号で有名なヘイエルダールの著書にアク・アクという本があります。
この本の中でヘイエルダールがイースタ島の村長にモアイの運搬方法について聞く記述があります。
アク・アク(上)
孤島イースター島の秘密
T・ヘイエルダール著
山田晃訳
現代教養文庫
社会思想社刊
p243-p244
「ドン・ペドロ村長。」と私は言った。「たぶん君は知っているだろう?ご先祖たちはどういう
方法で石像を島のあちこちへはこんだんだい?」
「じぶんでいったんでさ、じぶんで歩いていったんでさ。」
村長はすらすらと答えた。
「ばかなことを。」
私はがっかりしていささかいらだった。
「本気でおこっちゃいけませんだ。のんきにやれ! です。わしは石像が歩いていったと信じて
ます。ご先祖が、歩いていったって言ったことをかろんじてはいけませんです。でも、ご先祖は
わしに話すときに、じぶんの目で見たわけじゃねえって言いました。だから、ご先祖は、
ミロ・マンガ・エルアをつかったのかもしれませんだ。」
「何だい、それは?」
村長は地面に横木のついたY字型のものをかいて、分かれた木の幹でつくった石づちだと説明
した。
「どっちにしても、ご先祖は石垣にする大きな石のかたまりをひっぱるとき、これをつかってま
す。」彼は一歩ゆずって説明をつけ加えた。「それからハウ・ハウの木の丈夫な皮をつかって太い
綱をつくりましただ。船のいかり綱みてえに太い綱ですだ。一つつくってお目にかけてもいいです
だ。わしはミロ・マンガ・エルアもつくれます。」
以上 記述終わり
ミロ・マンガ・エルアはポリネシア語で二本の木の枝という意味だとマオリ族の人が教えてくれました。
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